夏の名前




摘果は長くはかからなかった。



正午前には全て終わり、自宅へ引き上げた。





「今日の午後からは、お休みとします。

母さん達はお客様の接待よろしくお願いします。

俺と父さんは仏間の手入れをします。

君らは、さっさと課題を片付けて、有意義に過ごしてください。


8月16日迄、用事がない限りお盆休みとします。

以上。」




昼御飯の時に父さんが言った。


課題は終わっている。


自慢ではないが、成績は良い方だ。



つまり、約1週間、休みができたと言うわけだ。





速斗は頭の中でしたいことを並べる。



本屋に行って、

自転車で遠出して、

バスケして、

友達に会って…




ふと今朝の彼女の事を思い浮かべたが、すぐに忘れてしまった。


それよりも、これからの自由な時間が楽しみだった。
< 15 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop