★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~

全力で走っていると、愁君がすぐ追いついてきた。

「なっ…!何でそんなに早いのっ!?」

精一杯走ってるのにっ…!


「何でだと思う?
自転車に乗ってるからでしたー。」


えっ………。


「もうー!!早く言ってよねー!」

必死に走ってる自分がアホらしくなって、思いっきり叫んだ。

「そんな、怒んないでよっ!
乗せてあげるからっ!!」

私の機嫌を直すように、愁君が言う。

それから、2人乗りして学校に向かった。


「はいっ!とーちゃくっ!」

愁君が言った。

「ありがとー!バイバーイっ!」

私は、適当に愁君にお礼と手を振って走った。


「ひどっ…!乗せてあげたじゃん!!」

愁君がそう言ったのは、聞こえていなかった…。


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