未来からの贈り物
癒える心




下界へ来て早一ヶ月。

漸く幹部とは普通に話せるようになった。


特に仕事も与えられず、暇な日常を送っていた。 だが、幹部も誰かしら非番なので話し相手になってくれた。


莉奈「ねぇ総司……この世界では何年なの?」


総司「ん?今は文久三年の七月です」


莉奈「文久三年………」


総司「うん。莉奈の世界は?」


莉奈「平成26年です。文久三年…文久三年…ん〜〜〜〜〜〜………」


総司「何?」


莉奈「聞いたことあるけど、覚えてないや………」


総司「変なの」


莉奈「本当に新撰組じゃないの?」


総司「違いますよ?」


莉奈「…………………………。
大和屋焼き討ち事件………」


総司「はぃ?」


莉奈「新撰組なら七月に芹沢さんが大和屋に火を放つ事件があったんだけど……なかったもんね」


総司「…………………。芹沢さん……。
うちの筆頭局長ですよ? 先を読む力があるのですか?天女には」


莉奈「天女じゃないですってば!!!」


総司「天女じゃなければ空から人間は降って来ませんよ!」


莉奈「私は普通の人間です。」


総司「はいはい。分かりました」


莉奈「町に行ってみたいなぁ……」


総司「天女伝説が消えたら行きましょうね? 案内します」


莉奈「はい!ありがとうございます!」


総司「甘味処行きましょうね」


莉奈「甘味は太るから私は食べませんけど………」


総司「…………………。太って良いよ」


莉奈「え〜〜……。皆に怒られるからやだよ」


総司「もう良いよ……。いつも我慢ばかりじゃない。少し自分に甘えても良いんだよ?」


莉奈「…………………総司………」


総司「(ニコッ!)食べたら動けば良い」


莉奈「うん。本当は運動したいな」


総司「竹刀握ってみる?」


莉奈「剣道ですか?」


総司「教えてあげるよ」


莉奈「えーーーーーー………みんな総司の稽古は厳しいからヤダって言ってたよ?」


総司「莉奈には優しくするよ?」


莉奈「本当?じゃあやる!!!」




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