付き合っちゃう⁇




「さあ、奈美さん聞かせてもらいましょうか?」

「な、なにを?」

「そりゃー拓也とのことよ」

会社にほど近いコーヒーショップに入り、席に着いた途端、恵美は話を切り出した。

「誰もあいつだとは言ってないよ?」

「じゃあどこのどいつよ『こいつ俺のだから』なんて言ってお持ち帰りしてくのよ」

「あの日あいつと飲む約束してたけど、合コンって聞いたからドタキャンしたの」

「ようやく話す気になった。それで?」

「それで私の合コン現場をたまたま見つけちゃって腹いせにあんなことしたってだけの話」

「飲む約束する程の仲なんだ」

「飲むくらい普通じゃない?」

「奈美ってそうゆうとこ抜けてるよね〜というか天然」

「え?」

「悪い男にだけは引っ掛からなきゃいいけど…ってもう手遅れか」

恵美がそう呟いていたなんて何故自分が天然と言われたか分からず考え込んでいた私の耳には届いていなかった。



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