私が好きなのはキミだけだから。
あ……言っちゃった……。
「「「「きゃーーーーー!!!」」」」
「ちょっと棗くんどーゆーこと!?」
「棗くんはみんなの王子様でしょ!」
クラスにいる子たちをはじめ、廊下に集まっていた女子までもが口々に言う。
まぁこうなるとは思ってたけどさ
まさかここまで凄まじいとは……。
棗ファンの女子の勢いに圧倒されていると、
ふいに繋がれていた手を離された。
そのことに対して、少し寂しいと思っている自分がいる……。
少し、ほんの少しだけどね?
そう思ったのもつかの間、代わりに肩を抱かれた。
え、なになに?
一人で戸惑っていると、棗が口を開いた。