続・ドキドキ
翌日。
朝練の前にテニスコートの前に来た。
誰もいないテニスコートで一人、ラケットを振る香織。
向かいのコートに鋭く跳ねたテニスボールはフェンスに当たって落ちた。
ボールを目で追っていた香織はそのときやっと俺の存在に気づいた。
「朝練、大丈夫?」
「やばい、キャプテンに後でどやされる」
テニスコートの横のベンチに座って
香織の質問に苦笑いで答える。
「はは、バスケ部のキャプテン怖そうだもんね」
あの日と違って笑顔の香織。
でも、昔の笑顔と少し違う。
俺のせいなのかな、やっぱり。
罪悪感で胸の奥が痛む。
ゆっくり俺の横に座った香織が俺の顔をのぞき込んで。
「彼女、大丈夫?」
と言った。
思いがけない香織の言葉に言葉を詰まらせる。
「なんで知ってんのって顔。」
目を見開く俺にクスクス笑う香織。
「だって栄太がさー、しょっちゅう報告に来るんだもん。葵ちゃんかわいーとか、修だけせこいーとか、葵ちゃん体調不良ーとか?」
少し寂しそうな笑顔のあと
「そんだけ報告にこられたら、嫌でも思い知らされる。修太郎幸せそうって」
いつのまに栄太のやつ香織に報告なんて行ってんだろ?
同じクラスで同じ部活で。。。変な奴。
何も言えず、黙ったままいると。
「私は大丈夫だよ。」
前を見て、テニスコートを見て香織が言う。
「この前はごめんね。不調すぎてさー、タイミングよく修太郎いるからついね。」