わたしの中の 私
長い時間泣き続けていたが、気がつくと外は暗くなっていた。

その時、チャイムが部屋中に鳴り響く。

重い体を引きずるようにゆっくりとした足取りでモニターの前まで行き、人物を確認した。


「……部長!?」


……今は一番会いたくない人。

私はモニターの前に立ちつくしていた。

外の部長に部屋の私の存在に気づかないようにモニターを見ながら、部長が帰ることを祈っていた。


今は見たくない人だけど、モニターから目が離せず、
ずっと見ていた。

しかし部長は帰る様子はなく何度もチャイムを押し続け、扉を乱暴に叩いた。


「開けてくれ!いるんだろ!」


怒鳴るように部長は叫んでいた。

私の方が根負けし、扉のノブに手をかけた。


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