わたしの中の 私
初めのうちは極度の緊張で部長とお母様の二人の会話にうなずくだけであったが、二人が交互に話しかけてくれたおかげで、徐々に緊張が薄れていった。


「優葉ちゃん、息子が彼女を連れてきたの、初めてなのよ。
息子に彼女の影もないから、てっきり結婚しないんじゃないかと正直思っていたのよ。」


「おふくろ、しゃべりすぎ!」


部長を見ると、頭をかきながら苦笑いをしていた。


「もうそろそろ帰るわ。
明日からまた仕事だし。」


部長の言葉で、帰宅することになった。
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