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ハルには方程式がある。

ハルは当初、僕のことを普通より少し親しいくらいにしか思っていなかった。

それなのにご飯作ってあげるとか、掃除するとか、奢ってあげるとか、いろいろと世話を焼いてきた。

つまり、ハルは誰に対しても世話を焼く。

悪い言い方をすれば、全員に餌を撒く。

世話を焼かれて、それを利用しようとする男がハルに近づく。

要は餌に食いつく。

ハルは近付いてきた男を断れない。

世話を焼くことで、自分が必要とされていると感じたいから。

そうやって、世話を焼くことで必要とされていると感じさせてくれる男を釣り上げる。

だから、ダメな男としか付き合えない。

ハルは男を見る目がないというか、ダメな男と付き合う完成された仕組みの中で生きている。
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