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話に夢中になって、買い物をすっかり忘れていた。

「そういえば、お米とかも買わなきゃいけないんだ。重くなっちゃうけどいいかな」

「そこは僕がお役に立てる数少ない場面だからいいんだよ」

「……うん」

なんだかすごく、くすぐったかった。

考えたこともなかった。

補いあう、なんて。

和馬はきっと、優しい人なんだと思う。

言葉というか表現が優しいもの。

私は今まで何でも自分がやらないといけないって思ってた。

でも、そうじゃない世界もあるんだね?

今日私は少しだけ新しい私になった気がする。

だから、少しだけ新しい世界に足を踏み出してみてもいいのかもしれない。
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