ページをめくって
でも、まだ僕は一番かっこ悪いところを見せていない。

いずれは見せることになる。

それは、負けた時。

僕はどんな顔をハルに見せるんだろう。

ハルは僕をどう受け止めてくれる?

「和馬がかっこ良くてもかっこ悪くても、どんな和馬でも私は和馬が大好きだよ」

思ったことが聞こえてしまったみたいな言葉に僕は驚いた。

「和馬の受け売り。でも本当だよ?」

ハルは小首を傾げて微笑んだ。

いつも思うけれど、その仕草は本当に可愛い。

「うん、ありがとう」

きっとハルは僕をさりげなく受け止めてくれるだろう。

だって、僕の味方だから。

これからは、もう少し余裕を持とう。

君がずっと傍にいてくれるなら、あとは焦らずゆっくり僕らの時間を積み上げていけばいい。

輝く笑顔も父親の闇も、どちらが欠けても今のハルではなくて、そんな今のハルを僕は好きになった。

だから、良いことも悪いことも一緒に乗り越えて、ずっと一緒に生きていけると思うんだ。
< 477 / 522 >

この作品をシェア

pagetop