冬に咲くヒマワリ


一歩も引かないあたしに黙り込んだ俊介は小さく溜め息をついた。


ほーら、見ろ。
どうせあんたも経験あるんでしょ?

男なんて、そんなもん。


女だってそう。
本能で男を求めて、体を預ける。

男は皆、女を美化し過ぎてるよ。




「それより俊介。」

組んでいた足を反対に組み直して、あたしは煙草を消した。



「五十嵐くん、どうなった?」


あ~と声を漏らした俊介は

「あいつはダメ。残念だけど諦めろ。」

と顔の前で手を振ってダメダメと合図を送る。


「何でよ。ちゃんと言ったの?」

「言ったよ。だけどあいつ、彼女居るんだって。」


…彼女?


「何それ。断る理由になってないんだけど。」

「どうやら、遠距離らしいぜ。地元に居るんだとよ。」



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