極上笑顔の上司

海人部長は、いつもの様にふんわり笑って
「そうだけど・・・。
 一応、御曹司。ですから。」

ちょっと困ったように見えたのは気のせい・・・?


「そ、うですか。」

でも、お兄さんは・・・。
気になるけど、聞いちゃダメなのかな。
思わず、海人部長をじーーっと見つめちゃう。

「ふふ。兄さんのこと気にしてるの?」
「え?えぇ、まぁ。
 年功序列なのかと思って・・・」
「あぁ、少し前に正式に 僕に決定したんだ。
 どちらもそれなりに、教育は受けてるけどね。
 兄さんには「そんなことより欲しいもの」があるんだって。」


海人部長は、ふっと笑って
なにやら納得したように頷く。

「ねぇ、綾菜も、やっぱり『社長夫人』とかって憧れるの?」

「・・・は…いっ!?」

「じゃぁ、頑張るよ!
 今まで、なかなか本腰入れてやってこなかった経営業務なんだけどさ。

 取締役の重役さんたちを納得させれるくらいの
 実力をつけなきゃなぁ。」

「へ??えっ??」


「今はまだ「部長」だけど、
 すぐに・・・社長の椅子に座れるように努力、するね??」


「はいっ!!!????」


にっこりと、
目じりを落として優しそうにふんわり笑いながら
海人部長は言ったのでした。





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