BOLERO
人造ロボット










そこに彼女はいた。




幻でもなんでもない確かに君はいたんだ

俺の初恋はきっとその日始まった。




















『BOLERO』




















*洸




春休みもとうに明けて少しずつ蒸し暑さがましてき出した頃


扇風機の回る音に風鈴に風が触り音がする





高校生になってもう半年になった。




何に没頭するでもないし
勉強がめちゃくちゃ出来る訳でもない



いつも何となく過ぎる時間に流されるだけだった。



「洸ー」


外から男にしては少し高めの聞きなれた
日向(ひなた)の声が聞こえた




「日向?」

俺は二階の窓から顔を覗かせる



「洸!いた!!!はやく出てこい」

「なんだよ?てか俺の家だし居るだろ」



日向は何かあるとすぐにこうだから俺はもうなんだか慣れていた。


日向の所へ行く


「洸!」

「なんかあったのか?」


汗だくの日向を見て真剣な話なのかと
聞き返す。



「お前、TV見てないの?!」

「TV?みてないけど」


テレビに出るほど大きな事なのかと
少し不安になってまた聞き返す。



「何だよ」


「当たったんだよ!!!!」

「だからなにが?」



日向は喜び過ぎて言葉が見つかってないみたいだった。





「人造ロボット!」





あー。そんなの応募したような...


「...」


「なんだよ!うれしくねーの?人造人間だぜ?面白そうじゃん」



「それさ当たったはいいけど使いこなせんのか?」



俺は少し面倒くさげに言う。




「余裕だろ!洸の頭脳があれば!!」


日向はなんでこうポジティブなんだか、いつも関心する。

俺の頭脳が使いもんになるかって言ってんだよ





まぁ、人造ロボットって言ったってそんな高性能なもんでもないんだろーな





あんまり期待し過ぎて落胆するのは嫌だからな。期待はしないでおこう。









心の中でそう決めた。









日向は幼馴染みで
小学5年生からずっと一緒だ




日向は転校して来た。




初めて会った時、俺は日向が嫌いだった
たぶん日向も俺を嫌ってたと思う



なんで嫌ってたのかわかんないけど



もう昔のことであんまり思いだせないな









いつの間にか仲良くなってたんだ。






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