マンガみたいな事が起きました。*続*

闘争



保健室のドアが荒々しく閉まり、
あたしは涙を流していることに気付く。


「舞、ごめんな」


ふわっと抱き締められフルフルと首を横に振るも涙は止まらない。


「水族館で見られたって言われたことをお前に言ったら、きっとまた泣くと思った。苦しんだり、不安になったり。
辛い目に合わせてばかりでごめん」


「ううん……」


渉も言われて考えなしに黙っていたわけじゃなかった。


「今も結局泣かせた。
俺、最低だな」


抱き締める力が弱い。


いつもみたいに強く抱き締めて。


「でも、わかってほしい。
俺が相川に言った言葉は全部本当だから。俺の気持ちに嘘はない」


渉の真剣な顔が涙で滲む視界でも
はっきりとわかった。


「あたしも、渉から離れないって約束するから」


お互い小指を絡め約束をした。




< 141 / 423 >

この作品をシェア

pagetop