Special to me
私はスキー用のウェアに身を包み、

「駅に行ってくる!」
と私は家を出た。

歩きなれない雪道。

スーパーはこの雪で食材が少なくなっていたけど、何とか揃えることが出来た。

途中で足元を取られて、転んでしまった。

「痛い・・・」

でもそんなことは言っていられない。
私は一路、宗岡駅へ向かう。

事務室に入る。

「こんばんは!」

迎えてくれたのは曽我さん。

『真子ちゃん!どうしたの?』

それは驚くよね。

事務室にいる数名の駅員さんも驚いてこちらを見ていた。
でもそれにはひるまない。

「曽我さん、奥のコンロを貸してください!」
『え?あぁ・・・いいよ』

「ありがとうございます!」

私は事務所奥の休憩室手前にあるキッチンに向かった。

大きな鍋を用意して、お湯を沸かす。

材料は大量に買って来た。

今から作るのは、豚汁。
大学生の頃、サークルのキャンプで何度か作ったことがあった。

使う鍋もその時と同じくらいの大きさだ。

豚汁を煮込んでいる間に、事務室に顔を出す。

「あの、この雪で靴の中が冷たくなっている方、乾かしますので靴を脱いでいただけますか?」

2人分を布団乾燥機を使って乾かし始めた。

そこへ、

『お疲れ様です』

と、晃樹が雪を払いながら戻って来たのが見えて、私は事務所奥に引っ込んだ。
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