Special to me
☆助役試験に向けて~side MAKO~
4月。

世の中では新入社員が入ったり、新学期が始まったりで、新しいことが多いこの季節。
私は、特に変わらず秘書としての生活を送っている。

晃樹はそれどころじゃない。
合格率3割の助役試験合格に向けて、最後の追い込みだ。

試験本番はゴールデンウィーク明け。

『それ、丸ごと1冊覚える勢いが必要なんだよね』

と、私が見ているのは、【鉄道営業規則】

「英語の辞書みたいにぶ厚いじゃん、え~こんなの無理ぃ」
『栄光学園大学ご卒業の才媛がおっしゃるセリフじゃないように思うけど?』
「大学は最早関係ないでしょ。社会人になってから勉学のモチベーション上げるのって、大変だよね」

そろそろ夕飯の支度しなくちゃ。

ここ数回は、私が晃樹のためにご飯を作っている。

実は内緒で・・・同期の恵美加に教えてもらったり、うちの会社の料理本を見て研究したり。

やればできるじゃん、私。

必要にかられないとやらない性分は、かなり問題だけどね。

『うん、美味しい』
「ありがとう」

晃樹にそう言ってもらえるのは、すごく嬉しい。

試験が過ぎるまでは、私は晃樹のために頑張るつもり。
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