Special to me
『あのさ、ふたりの写メを撮らせてもらえない?』

桐生くんからお願いされた。

『いいよ。彼女のためでしょ』
『うん』
『晃樹、桐生のカメラを見て』

真子に言われて、桐生くんのカメラを見る。

結婚式は、とにかく撮影されることが多い。
人生でこんなに写真撮られたの、初めてじゃないだろうか。

"次は、携帯の写メでお願いします"と言う桐生くんの携帯を見ながらそう思っていた。

『うちらの同期で、次に結婚するとしたら多分桐生だろうな』
「俺もそう思う」
『どうして、うちらの同期と初対面なのにそんなことが分かるの?』

同期6人。
男4人女2人。

玲奈さんは真子から事情を聞いているので対象外だけど、残りの5人のうち、桐生くんだけは何かが違う。

男の色気って言うか、強烈なオーラを感じるんだ。

「桐生くんって、物凄い溺愛している、あるいはされている彼女がいる?」
『うん。やっぱり分かる?』
「うん。羨ましいくらいに感じるものがあるよ」

俺もあんな風になりたいもんだ。
いや、もうなっているのかな。

桐生くんを見習って、真子を溺愛し続ければ、自然と放つものなのかな、あのオーラは。
ぜひ、参考にしたいな。
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