Special to me
「理想論かも知れません。ですが、僕はそうなれると強く感じた、ここにいる真子という女性を一生の伴侶とすることを決めたのです」

再び正面を見る。

「これから、まだ未熟者の僕達は、皆さんの指導や叱責がたくさん必要だと思っています。僕は助役の見習いとして、真子は龍成社のいち社員として、引き続き、よろしくお願いいたします」

2人で一礼した。

一同から拍手が起こる。
そのまま、披露宴はお開き、送賓をして、残るは俺と真子の家族だけになった。

『晃樹くん、みんなと写真に納まってくれないか?』

そう言うのは真子のお父さん。

「はい、喜んで」

俺と真子を中心に、真子の両親と長兄の貫一さんと次兄の純さんにその家族。

入籍はとっくに済んでいるはずなのに、改めて感じた。

俺は、真子との結婚で、この方々とも"家族"なのだと。

結婚というのは、家族が増えるものだということを実感していた。
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