Special to me
☆正月の挨拶~side MAKO~
晃樹は年越しで駅に泊まり。

年越しをこなした場合は正月三が日は確実に休みが取れるという慣例があって、だから、毎年大体、年越しは駅に泊まっているらしい。

元旦の9時には仕事が終わる。
終わったらその足で、私の家に来てくれることになっている。

10時過ぎ。

―ピーンポーン―

約束どおり、晃樹は来てくれた。

お父さんもお母さんも、そして兄2人とその家族たちも一緒。
大人数になっていた。

『いらっしゃい。賑やかでごめんなさいね。お仕事終わりなんでしょ?お疲れ様』

と、お母さんは甲斐甲斐しくスリッパを晃樹に用意する。

『ありがとうございます。お邪魔します』

晃樹は神妙に、初めてうちの中へと入って行く。

父、母、長兄、次兄、それぞれの家族。

姪っ子、甥っ子・・・私入れて、計10名。

『狭いのに人数が多くてごめんなさい。座ってください』

上のカン兄ちゃんこと貫一(カンイチ)兄ちゃんがお客さんである晃樹をダイニングの椅子に座らせる。

もちろん、ダイニングには椅子が5つなので足りないから、座ることを勧めたカン兄ちゃん自身はリビングのソファーに座っている。

そこへ、カン兄ちゃんの子供の朝陽(アサヒ)くんが晃樹に走り寄ってきた。
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