(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
ほぼ全員、青ざめた顔で私を見つめていた。



そんなに恐ろしかったかなあ?



一年生には男子なのに泣きそうな顔をしている人までいる。



しばらく沈黙が続き、今まで一切口を出していなかった、美玲が口を開いた。

「じゃー、そういうことらしいんで葉月をよろしくお願いします」


その言葉で私は一気に我に返った。


「は!待って私は今何を」


今なんか自分サッカー部のマネージャーになる的なこと言ったよね



ないない。絶対そんな面倒なことしなくない。



だけど。


「葉月マネージャー頑張ってね。一度自分でやるって言ったんだからちゃんとやりなさいよ」


今まで見たこともない笑顔で美玲が笑うから私はもう頷くしかなかった。





「相原さんはマネしないの?」



「折角、森山さんもなるらしいし!」



「ごめんなさい。私は楽な部活に入りたいので」



あっさり断られ部員たちの哀れな姿には噴き出しそうになった。



まあ可哀想だから何も言わないであげよう。



ってゆうか私じゃなくてやっぱり美玲目当てかよ。


「おい、葉月」



海斗が話しかけてきた。
さっきの笑顔を絶やすことなく返事をする。



「何?」



「その顔キモい」



スパッと真顔に切り替え、精一杯睨みつける。



すると、海斗は頷いて問いかけてきた。


「お前、本当にマネージャーするのかよ。」



「はあ、まあ、やるって言っちゃったし」


「ったく。マネージャー面倒くせえぞ?先輩も時々ウザいし」



「わかってるよ」


「はー、せっかく阻止しててやったのに」



「は?それどういう…。」



聞き返そうとした私の言葉を遮って、海斗は私の髪をグシャグシャに撫で回して言った。



「くれぐれも俺の足を引っ張るんじゃねえぞ」



意地悪そうな笑顔で笑う海斗の肩を軽く押して言った。



「当たり前だっつーの」




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