(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
帰り道。

いつまでも、俯いてる私を海斗はずっと手を引いていてくれた。

しばらくして家に着いた。

「あ…りがと。」

素っ気ないよね。
でも、これが私の精一杯なんだもん。

「辞めんなよ。」

「辞めないし。」

「ばーか。」

そう言って海斗は私の頭をポンポンと撫でた。

「…馬鹿。」

何とか言い返したら、海斗は夏の太陽みたいな笑顔を見せて、手をひらひらさせ、帰って行った。



「…何なのよぉ…この気持ち…。」

胸がうるさいくらいドキドキ鳴ってる。

これは緊張じゃない。

何なのよ。

これは。
< 76 / 274 >

この作品をシェア

pagetop