引き立て役よさようなら(番外編追加)
スタジオを出たのは日付が変わって間もなくだった。
「達!」
車にギターを積み込んでいる達央に尚也が声をかける。
「何?」
「さっきの話詳しく聞きたいんだけど・・・・」
「さっきの話?新曲の?」
「いやいやそうじゃない。彼女?の話」
するとその言葉に他の2人のメンバーが反応した。
「え?達、彼女また変えたの?」
翔の言葉に達央は面倒臭そうに
「またじゃない。俺の中では今回の子は数年ぶりに出来た彼女なの。」
その言葉にまたまた3人は目を見開いた。
「俺の中では数年ぶりって・・・じゃあ今までの女の子たちは何?」
達央は深くため息を吐き
あれは勝手に寄ってきただけと言い切った。

達央は決してとびきりのイケメンではない。ミュージシャンと言わなければ
ぱっとしないのに・・・メンバーの中でも一番もてる。
言い方は決してきつくはないのだが、顔からは想像できないほど
淡々とした言い方をする。
「勝手に寄ってきただけね。わかった。じゃあー数年ぶりに出来た彼女は
どんな子?引き立て役って言われても訳わかんないよ」
「・・・・合コンとかで、かわいらしさとか美しさを
アピールしたくて自分よりかわいくない子を誘う女いるでしょ?」
3人が頷く。
「その可愛くない方になっちゃう子・・・・引き立て役・・わかった?」
3人は頷いたが・・・・ハッと驚いた顔をした。
「可愛く・・・ない方になっちゃう子・・・?」
「そう」
達央はあの日の事を思い出したのかニコニコしながら頷いた。
3人共きょとんとしたままだ。
「その・・・達の彼女になった子は可愛くないの?」
「ブスじゃない。ただぱっとしないだけ・・・・でもおれの一目惚れだから
いいの。」
達央は車に乗り込みエンジンをかけると発進させた。
「まじかよ・・・」
「まじぽいね・・・」
「・・・・・達が一目惚れかよ・・・」
3人は呆気にとられたまま動けなかった。
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