引き立て役よさようなら（番外編追加）

「横田さん」
「ん？」
flybyのリハの見学の後、浩太はしばらく達央を除いたメンバーと
いろんな話を聞いた。
曲作りはどうしているだとか、レコーディングの様子だとか・・・
だけど一番聞きたかったことは聞けなかった。
帰りの車の中で浩太はさっき聞けなかったことを横田にぶつけてみた。
「桐谷・・さんと達さんて付き合い長いんですか？」
「どうして？」
「・・いや・・・普通に好奇心。だって俺の同級生があんな有名人の
彼女とか正直信じられなくって・・・」
本当は違う。
なんであいつとなんだと言いたかった。

俺は・・・好きだった・・・桐谷を
俺の方が先に好きになったのに・・・

「そうだな・・・まだ１年は経ってないよ。でも彼女のお陰で
達は人間らしくなっていい曲も増えた。問題さえ起こさなければ
このまま２人を見守ってあげたいけどね・・・」

「ふ～～ん。そうなんすね・・・」

感情のない返事は
苛立ちにも似ていた