引き立て役よさようなら(番外編追加)
優花は気持ちを入れ替え、キッチンでコーヒーを淹れ、ソファーに座る。
目の前のテーブルには福岡でのお土産と達央宛のプレゼントらしき
ものが無造作に置かれていた。
きっとファンの人から頂いたものだと思うが、こういうのを見ると
改めて達央は芸能人なんだなって思う。
人気アイドルとかと比べれば大した数ではないけれど
プレゼントの一つ一つに思いが込められているのを感じる。
達央に事を思って…喜ぶ顔を思い浮かべながら作ったり、買ったり
したのだろう・・・
一歩違えば自分のこの人たちと同じ位置にいたはず・・・

「私は…こっち側にいていいのかな?」
思わず口に出していた。

「なーにがこっち側にいていいのかな・・だよ」
いつの間にか優花の目の前で腕組んだ達央が立っていた。
「あれ?デモテープ作ってたんじゃ・・・」
「・・・終わった。・・で?何がこっち側にいていいのかな?だよ」
「そ・・それは・・その・・・」
達央は優花の横にドカッと踏ん反り返るように座った。
「どうせ、俺の彼女でいいのかな?ファンの子に申し訳ないわ~
なーんて・・・考えてたんだろ」
当たっているだけに言い返せない。
返事に困っていると

いきなり手首を掴まれ半身だけが押し倒される
そして荒々しいキスをされた。
「!!ん・・んんっ」
「久しぶりに会えたと思ったらそんなつまんねぇ事言うなよ」
「ん・・・んんっ・・・」
「俺はお前だから好きになったんだ。」
キスとキスの間に達央の思いがぶつけられる。
「何があっても・・・優花はこっち側にいてくれないと
 俺がおかしくなる・・・・今みたいにね」
「・・・達央さん・・・」
達央は掴んでいた手を離すと
優花の髪の毛をゆっくりと優しく撫でた。
「不安になる気持ちがわからない訳じゃない。・・
 でも・・・俺といることが俺の迷惑になるんじゃないかと
ファンが悲しむとか・・・考えんな。俺は優花がいるから
頑張れるんだから」
撫でていた手がゆっくりと下りて頬を優しく撫でる。
優花はその手の上に自分の手を重ねた。
「…うん。しつこいくらいにそばにいるから」
次のキスはとても優しかった。
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