引き立て役よさようなら(番外編追加)
「だったらもう、子犬は終わり!今からの俺は飢えた狼だから
覚悟してね」
長い前髪からちらっと見える目が鋭く光って
本当に飢えた狼に見えた。
だけどそれでもいいと思えるのは
それだけ優花も達央と、この時間を楽しみにしていたのかもしれない。
「さっきは帰るて言ったのに?」
意地悪な質問も相変わらずだ。
「だって・・・本当に明日は仕事だしそれに・・・」
本当は違っていた。
このまま一緒にいたら離れられなくなるって思ったからだ。
大好きな人に抱きしめられたら
達央が欲しくなると思ったから・・だけどそんな事言える訳なかった。
「本当はどうだったの?」
ベッドに座ると優花の耳元に達央の囁く声が聞こえる。
「・・・・・」
「本当は・・・俺に押し倒されたかったんだよね・・・」
囁く声は優花にしか聞かせない甘い声だった。
この声を自分以外の人に聞かせたくないと思った。
「・・・・・達央さんに愛してもらいたかった。」
首筋を達央の舌がなぞり声がうわずってしまう。
だけど思いは伝えたかった。
自分がどれほど達央に会いたかったのか・・・
どれだけ触れたかったのか・・・わかってほしかった。
「ちょっと・・・それ反則だぞ!」
達央の唇が荒々しく優花の唇を塞いだ。
時間はまだたっぷりあるのに
それでももったいないと言わんばかりに
お互いの舌が絡み合う。
息が上がり目が潤む。
だけど欲しかった達央の唇が自分をたくさん欲しがってる事に
うれしさが増す。
「たつ・・ひさ・・さん」
「優花・・・ずっと・・こうしたかった」
「わたし・・も・・んっ・・んんっ・・」
荒々しく優花の着ているワンピースの後ろのファスナーを下ろし
ワンピースを引き剥がす。
下着姿になった優花をじっと見つめると目を細め
「これ・・・いらない」
とブラも素早く外した。
その間優花は何も言わなかった。
いつもなら恥じらいの言葉が出るのに
今日の優花は違ってた。
「今日は・・・何も言わないんだね」
目を細めながら見つめる達央が愛おしかった。
「女だって・・・・男の人と同じで欲しいんです」
目を潤ませながら言う優花に嘘はなかった。
達央の腕に力が入る・・・
「ごめん・・・ホントマジで俺今日優花を壊しちゃうかもしれない」
優花は色っぽい目でただ黙って頷いた。
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