引き立て役よさようなら(番外編追加)
「しかし・・・何度見てもデレデレだな?」
尚也がニヤニヤしながら事務所の大型テレビの前のソファーに座りながら
目線だけ達央に向けていた。
「何とでも言え!」
達央はテレビに背を向けるようにして今度のライブのセットリストを考えていた。
達央のそっけない態度を気にする様子もなく尚也は再び視線をテレビに向けた。
「しかし・・・まさかメンバーの中で達が一番に結婚するとか
 誰が想像しただろうね。一番結婚と縁遠かったのに・・・あ~あ
 俺も結婚したいな~。そんでさ~こ~んなPV俺も撮りたいよ」
背伸びをしながら尚也がつぶやくと、立て続けは困るぞと言いながら
マネージャーの横田が雑誌を4冊抱えながら部屋に入ってきた。
それはflybyが表紙になっている音楽情報誌だった。
横田は雑誌をテーブルの上にの
せると達央を呼んだ。
大事な話の様で横田と達央をミーティングルームへ移動した。
横田はジャケットの内ポケットから封筒を取り出しそれを達央に手渡した。
達央は封筒を受け取ると中身を確認して横田にありがとうとお礼を言った。
「彼女・・・なんか言ってた?」
横田の何かは恐らくPVのことだ。
達央は思いだしたかのように笑いだした。
「そりゃ~驚いてるよ。いくら顔が映ってなくてもいろんな人に見られるんだもんな。
撮影の時はそこまで考えていなかったみたいだけど。穴があったら入りたいんだってさ」
横田も驚く優花を想像してフッと笑った。
だがすぐに真顔にもどると
「アルバムだけど予約だけでも凄い事になってるぞ!」
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