引き立て役よさようなら(番外編追加)
「随分と楽しそうだね」
不機嫌全開な達央が皮肉たっぷりに言った。
「楽しくなんてないけど・・・」
優花は手の中の名刺をさっきよりも強く握りしめた。
「最後の合コンでイケメンに口説かれたのに?」
・・・一体いつから見ていたのだろう。
「口説かれてたからって、それが楽しいとは限らないわ」
達央の口元は笑ってるが目は完全に笑ってない。
「へ~~。口説かれてたって事は認めるんだ。で?いまからその名刺に
書いてある番号に電話をかけるわけか・・・」
「か・・かけるわけないじゃない!返すために持ってたんだし・・・
大体いつからいたのよ。」
「乾杯・・・のあたりから?」
顔色を変えず淡々と返事をする不機嫌な達央に
優花は大きくため息をつくと達央と同じように壁にもたれかかった。
「正直あんな風に合コンで話しかけられて、しかも会話が続くなんて
思ってもいなかった。自分の置かれている立場すら忘れてしまいそうに
なったし、こんな名刺を渡されて正直戸惑った。でも・・・・
うれしいとは思わなかった」
優花の言葉を達央は黙って聞いていた。
「だって・・・私には彼氏が・・・達央さんがいるから・・・」
優花は握ってた皺くちゃになった名刺を達央に渡すと
「こんなものはいらないから・・・達央さんにあげる。煮るなり焼くなり
好きにしていいから・・・」
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