引き立て役よさようなら(番外編追加)
店を出てからも達央は優花の腕を離さず前を見ながら
一台のタクシーを止め乗り込んだ。
達央はマンションの場所を告げると深くため息をつき目を閉じた。
優花は複雑な思いで達央を見つめる。

達央は窓から見える景色と窓に映る優花をみて
さっきまでの自分の大人げない態度に苛立っていた。
さっきの合コンでの優花が特別な行動を取っていただけではない
事はよくわかっていた。
淡々と物を食べ飲んでただけだ、だがそんな優花の事を
気にいる奴が現れるとは思わなかった。
自分と同じタイプの人間が優花の前に現れたんだと思ったら
急に焦りが出た。
しかも相手は医者だ。名刺には外科と書いてあったから
恐らく外科医なんだろう・・・・
そして最後の『俺・・・諦めないから』
なーにが諦めないだ。
ムカつく・・・また達央は不機嫌になった。
自分より明らかにルックスのいいあの外科医、
どうせ優花の事は周りの女に聞けばある程度わかるから
何らかの動きがあるかもしれない。
こんなことなら無理やりにでも行かせなきゃよかったと
後悔でいっぱいだった。

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