引き立て役よさようなら(番外編追加)
「ねぇ。」
優花の前にいる達央に声をかける。
「なに?」
「もしかして・・・・さっきの男の人ってバンドのメンバー?」
「・・・・そう。嫌だった?会うの・・」
いきなり言われて、はい嫌ですなんて言えるわけない。
「別に嫌ではないけどいきなりでびっくりというか・・・・」
達央は壁にもたれるとドアの向こうで自分たちを見ている
メンバーに目を向けた。
3人は達央に睨まれ慌てて隠れた。
達央はいなくなったのを確認すると小さく深呼吸をした。
「今日は、スタジオでツアーのセットリストを決めていたんだ。」
「セットリスト?」
「あー。ライブで歌う曲を選んで順番決めたりすることなんだけどね。
あんたの事が気になって、なかなかまとまんなくてさ、
あいつらには気分転換にコンビに行くって言って出てきたんだよ。
そしたらイケメン外科医に口説かれてるしさ・・・・」
達央はその場にずるずるとしゃがみこんだ。
「口説かれ・・・って、私は・・・」
「・・・わかってるよ。でも嫌だったんだよ。」
「達央さん・・・」
優花は達央の横にしゃがみ込んだ。
「びっくりしたけど・・・・『こいつ俺の彼女なんで連れて帰ります』は、
うれしかった・・・それに私、イケメンタイプじゃないから」
するとドアの向こうでゲラゲラ笑う声が聞こえて
2人は立ち上がった。
すると尚也が
「いつまでそこにいるつもり?達の彼女なんでしょ?
俺たちに見せたくないくらい大好きなのはわかるけど・・・・
早くこっち来て紹介してよ」
とニヤニヤしながら達央に言った。
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