引き立て役よさようなら(番外編追加)
「休みでした・・・・ってか健全な夜って・・・・
自分が何もしないって言ったんでしょ・・・・」
すると達央は口角を上げ、ベッドに滑り込むように入ると優花をぐいっと抱き寄せた。
「え?ちょ・・ちょっと何するんですか?」
「何って?健全な夜だったのがご不満そうだから?」
「え?えええ?」
ちょっと!待ってよ。朝から何考えてんの?
達央という男は見た目おとなしいと言うか
女の人にはあまり積極的な感じに見えなかった。
だから優花はあまり達央に対して警戒心がなかった。
それに達央と付き合ってはいるとは言ってもキスだっておでこだったのに
何でこんなに人が変わった様に積極的になっちゃうの?
優花はもうパニック状態だった。
達央の顔が徐々に近づく、優花は自分の鼓動が達央に聞かれてるんじゃないかと慌てて引き寄せられた身体を突き放そうとするが
全く動じない。・・・自分よりも細いかもしれないこの腕に
逆らえず顔を逸らそうとした。
「お願い・・・こっち向いて・・」
歌う様な甘い声に優花はハッとして達央の顔を見ると
頬に何かが当たった。
でもそれは柔らかなものではなく薄っぺらい物・・・
優花は頬に触れている物を掴んだ。
それは・・・flybyのライブチケットだった。
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