引き立て役よさようなら(番外編追加)
「ねーねー、Bセットの方のチューニングってどうなった?」
「達~やっぱ、『かけら』から『トワイライト』に移る時のドラムソロを
少しだけのばしてほしいんだけど・・・ベースチェンジがさ・・・」
会場では最終リハーサルでバタバタしていた。
「じゃ・・・ちょっとやってみる?尚也さえうまくチェンジ出来ればさ~
問題ないっしょ」
「げ~俺にかかってる?」
10周年の記念ライブだけにみんなの気合いの入り具合はいつも以上だ。
テレビカメラもはいるらしい・・・
でも何となくだが達央はいつもより元気だ。
決して遅刻をしたりする訳じゃないのだけれど
いつも眠そうな顔で、ご飯も食べてるのか食べてないのかわからない
様な達央が今日は何だか顔色もめちゃめちゃよく、眠そうにしていない
のをメンバーは気がついてた。
一部照明の小さなトラブルがあったものの何とかなり
大きなトラブルもなくリハは終わり
一旦控室へと戻った。
スマホを取りだすと
「これから向かいます。ライブ頑張ってください」
と優花からメールが届いていた。
送信時刻は約1時間前だ、恐らくもう会場近くにいるはずだ。
何となくそわそわしてる達央を尚也はニヤニヤしながら見ていた。
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