私がお嬢様をやめる時
やはり人気のスポットということもあり
駐車場は満車ばかり。
かなり会場とは離れた駐車場に
車を止めることになった。



外に出ると、さすが山の麓。
寒さは想像以上だった。

「うっわ!寒いねー!!」

幸也さんはあまりの寒さに絶叫した。

「だから寒いの嫌いって言ったのよ!」

玲奈はご立腹だ。

「清美…
せめてサングラスは外していいかな…
これじゃ
イルミネーション見れないよ…」

「あ、米村さん
俺のダテメ貸しましょーか?
確か車にあったはず…」

そう言って幸也さんは
車からダテ眼鏡を出し、教授に貸した。


「あ、ありがとう。おお!
これはレンズがないから曇らないし
景色も鮮明だ!!」

なんて言ってはしゃいでいる。
ほんと、教授って清美の言うとおり
面白い人だった。




私たちは目的地までの
長い坂道を歩いた。

はしゃぐ清美と教授が先頭を歩き
玲奈と幸也さんがその後ろを歩く。
幸也さんは
さりげなく玲奈の肩を抱き密着する。

その光景を見せつけられる私。
< 99 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop