おにぎり屋本舗 うらら
 


それからしばらくして、
レスキュー隊がザワザワと騒がしくなる。



「生存者発見!男性一名!
意識もあります!」



作業中の隊員から、そんな言葉が聞こえてきた。



小山内も知本も、後始末に終われる刑事達も、

一斉に瓦礫に注目した。




瓦礫の中に、ジャッキやドリルが運ばれる。


中の様子は見えないが、コンクリートを砕く音が響いている。



10分程経ち、引っ張り出されるように姿を見せたのは…

小泉だった。



衣服は大きく裂け、潰された左足は血で真っ赤に染まっていた。



上半身はスーツのジャケットが無くなり、白いワイシャツ姿。


そのワイシャツもビリビリに裂け、筋肉質の裸が見えていた。



撃たれた右肩の傷は生々しく、

背中の素肌は、古い火傷の跡がケロイド状に広がっていた。



小泉は両脇をレスキュー隊員に支えられながらも、

右足だけで、自力で地面に立っていた。



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