レッスンはアフターで
「最悪だと?この場でそんな顔しているお前のが、最悪だろ?諦めの悪い女だな。まあ、いい。慰めてやろうか?さっきの詫びに」


一歩近づかれて、フワリと鼻をつくムスクの香り。


それが私の思考を奪っていく。


最低なこと言われているのに、
勘違いされているのに、


詫びって何の詫びなんだろう?多すぎてわからないとか、そんなこと全部どうでもよくて縋ってしまいたくなる。


最低男のフェロモンにあてられたのだろうか?


最低男の目が一瞬で色っぽくなり、媚薬のように吸い寄せられて瞬きすら出来ないとは。


「上目遣いも悪くはないが、」


冷たい手が頬を撫で、顎をつかまれ距離が縮まった。


「俺は挑戦的なお前の目がみたい」


唇に柔らかい感触がした。


たかがキスくらいで大事なこの場で騒ぎ立てることはしない。


だけども―――


「なッ!?お前、どうして!?」


最低男の焦った顔が歪んでみえた。
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