レッスンはアフターで
「リハビリ?」


きょとんと考えている女を見て、順一が怪しい笑みを浮かべている。


「そ。リハビリ。多分、愛奈ちゃんも必要なリハビリ」


順一の目がうぜー。こいつのこの目は、ろくなこと考えちゃいない。


おせっかい。望んでもいないのに、また勝手に。


「あ、綾香が外で待っているんだった。じゃ、宜しく」


逃げる順一は、俺の睨みをガン無視して行った。


微妙な空気どうすんだ。


「リハビリってどういうこと?」


「さあ?俺もわかんねー」


女に教えてやったところで女も嫌がるだろう。俺は、順一の意図に気付かないふりをした。


順一の思惑どおりに動いてやるもんか!


この女が、俺と同族だという読みは当たったということ。


だからと言って、俺は今のスタンスを変えるつもりはない。


順一の気持ちは受け止めるが、受け入れることは皆無に等しい。


俺には恋愛は必要ない。必要なのは、男の欲望をただ満たしてくれる女。


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