エンビィ 【完】




あのクリスマスパーティから、あたしがパーティへ顔を出す頻度は減った。



年が明けてからは、

ピンクベージュの髪をダークブラウンに戻した。

勿論あれから、伊織にも、ユキノにも会ってない。




あの期間の感情は、鮮明に残響を残しているというのに、あたしの中のナニかが変化して、あたしの中から燃えたきるドロドロとした黒い塊が、すとんといなくなった。



それは晴天のように、決して清々しいものではない。

どこか禍根の足跡をつけて、

すとんと、ホントにすとんと、心から消滅した。



敵視する感情は、残っている。



どうやって堕としてやろうかと、考えたりもする。

今でも憎いのは変わらない。けれど、それはもう、感情を爆発させるようなものじゃない。



諦めとも違う。


ただ、上手く言えないけど…、水面を緩やかに滑ってゆく風のように、静かなの。




< 126 / 195 >

この作品をシェア

pagetop