・約束
「春夏、何か食べる?」

「…うん。そうね」

「何かないかなぁ~」

…なんて、雅也は冷蔵庫を見渡してるけど、どう見てもロクな物が入ってない。


「ふふっ。何にも入ってないじゃない」

「どうしよう。何かデリバリーでも取る?」



「ちょっと中見せて」
冷蔵庫にあるものを確認する。
…ホントに何にもない…

「う~ん…冷凍ごはん、焼き豚に卵…かぁ。
 よし、キッチン貸して。 庶民のチャーハン作る!」


「何だよ庶民のチャーハンって?」


「ん~? セレブ芸能人様が普段口にしない普通のチャーハンよ」

そう言って、材料を取り出し準備を始める。


切って炒めるだけだから、どうにかなるかな。



暫くすると、部屋中にチャーハンの匂いが漂う。

「おぉ~美味そうないい匂い。いただきます」


「うん。美味い!」

口いっぱいに頬張る雅也は、子供の頃と変わらない。
そんな姿を見ていたら、何だか笑えてくる。

「ふっ…変なの」


「ん?」


「私、芸能人の家に上り込んで勝手にご飯作って食べさせてるなんて」







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