・約束
「会いたかった。…スグ雅也に会いたかったよ」

「来ればよかったのに」


「だって…私が夜中に会いに来たら、雅也はゆっくり休めないでしょ…」

「バカだなぁ…そーゆう時のワガママは、いいんだよ」

「……」



「春夏は昔から変わらないな」

「何が?」


「自分よりヒトの事考えてる」



「…やめてよ。そんなコトないよ。買い被り過ぎ…」

「今日だって…」

「え?」

「オレに会う為に、香水つけてこなかったろ?」

「ど…してそれ…」

「仕事、夕方からって言ったから、
 オレがそのまま現場に行っても大丈夫なように、移り香しないように気使ってんだろ?」


「よく…分かったね」

「この前の香水の匂いしないもん。…いつもオレのコト一番に考えてくれてるから」


「雅也…」
私は思いっきり雅也に抱きついた。



< 66 / 85 >

この作品をシェア

pagetop