【完】『道頓堀ディテクティブ』
待合所は人が少なかった。

もとが観光のシーズンではない時期にきて、月曜日の午後である。

「案内図で見たら飫肥城は桜の名所らしいからなぁ」

夏である。

桜が咲いてないのに、来るはずもない。

バスが来た。

どうやら都城の方から来たバスで、やたらと混んでいる。

乗ったのは穆と大二郎と、あとはジーンズにシャツとキャップ、背中は真っ赤なリュックという若い女が一人だけ乗り込んだ。

若い女が先に座ると、席はバラバラに一人ずつしか空いてない。

大二郎はさっさと後部の椅子に座った。

穆は困った。

が。

「あの…隣、座っても大丈夫ですよ」

終点の空港まで乗りますから、と若い女は立ち尽くしていた穆に言った。

「すいません、じゃあ失礼して」

穆は女の隣に、座ることになった。



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