† of Thousand~千の定義
「ええ、彼も魔術を目撃していますからな」

「そう」

その言葉に、ある意味安心し、ある意味無念も抱く。

しかし、無念以上に、あるいはそれが最善と、微笑ましくも思った。

眠気が、まぶたをどんどん閉じさせてくる。

「それじゃ……私は寝る。あとは任せる」

「ええ、任されましたとも。教会は、そのために存在しているのですから」

そして私は、まったくもって不愉快なことに、まぶたの闇の中、一ツ橋なんぞの姿を幻視しながら――



眠りに落ちた。


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