虹の架け橋

「あ…。」

そう言えば最近早風くんだったんだ。
もう呼ばないって決めてたのに!

「もうそんなに笑わないで!忘れて!」

「無理〜!てゆうか…久しぶりに話した。ずっと怒ってたみたいだし…。」

そうだ…頑固者だったんだ!

またそんな事言って…。
やっぱり早風…ううん。ヒーローと話すのは
楽しい。

「そんな事より早く戻りなよ!負けるじゃん!」

「もうお昼だよ?」

「え…!」

もうそんな時間!?
私どんなけ寝てたんだろう…。

「全然目が冷めないから心配したんだよ?」

「ごめん…ありがとう。」

心配してくれてたんだ。
嬉しいな。

「ヒロ〜お昼…あ!中原起きたんだ。大丈夫?」

少しすると辻田くんがお弁当を持って保健室に入ってきた。

「うん!もう大丈夫。」

まだ…ちょっと頭痛いけど…。
大丈夫だよ。

「そっか。でもまだ休んどけよ。あ、これ中原のお弁当。カバンから勝手に持ってきちゃったけど…。」

「ありがとう…辻田くん意外に優しいね。」

「ん〜?俺優しいよ〜?」

えっ…。
心の声出ちゃった…。
一瞬エスパーかと思ったよ!

「俺そんなイメージ?ヒロ〜。」

椅子に座って先にお弁当を食べていたヒーローに聞く辻田くん。

「バカなイメージじゃない?」

「なんでだよ。そこはおもしろいイメージだろー!」

「まぁそれもだな。」

男の子の会話って変なの。
私はろくに女の子と話してないな…。
誰とも会話してない…。

「ってか中原の俺のイメージは?」

えっ!?
こっちに降る!?

「なんだろう…いつも人に囲まれてて笑顔でおもしろくて…辻田くんがいたらその場の雰囲気が明るくなるイメージかな?」

「え…俺超いいイメージじゃん!」

「お世辞だろ。調子に乗るな〜!」

いや…。
今のは本音。
ただ…いつも明るくて…悪く言えばチャラい。

人のいい所と悪い所は紙一重。
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