Jewel Memory*2つ年下
でも、走った瞬間。
膝の近くに違和感を感じた。
よく見ると血が滲み出てる。
「はぁー‥」
漏れるため息。
きっと、
走った時に履いてたブーツで切っちゃったんだ。
綺麗な直線が2本、赤く浮かび上がる。
「優っ、足切ったぁ」
あたしは、近くにいた優に愚痴る。
もう、
ブーツなんて履いて来なきゃ良かった。
最悪。
「由紀乃、どーしたの?」
あたしの様子に気付いた未来も近寄る。
「足切っちゃった」
「ふーん、大丈夫だよ」
って!
おい、冷たくないかい?
正直、傷は深いけど、痛くないからいいけどさ。
騒ぐあたしは、みんなから相手にされず。
「はいっ」
少しして未来から差し出されたお菓子。
「ありがと」
そう言って、受け取る。
「それ友がくれたやつだから」
未来はそう言うと、
近くにいた男の子を指した。
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