Jewel Memory*2つ年下
「今日こそは、頑張るから!」
翌日、あたしはココに話した。
何を頑張るかって?
それは………
片想いを実らせるために、
拓にメールアドレスを聞くの。
なかなか聞き出せなくて。
だから今日こそ───‥
「もう嫌ぁー」
そう気合いを入れたはずなのに。
「また聞けなかった…」
あと1歩、ってとこで、聞き逃しちゃうんだ。
これで聞き逃したの何度目だろう。
「由紀乃、そんな落ち込まない。
次があるよ〜」
学校でココに報告したら、笑って励ましてくれた。
次だよねっ。
そう、まだ次があるもん。
頑張れ自分!
* * *
5月17日。
メールアドレスを
聞けずに、訪れた土曜日。
午前中から、
美術部の友達と遊ぶ約束をしてた。
あたしを入れて3人。
沢山喋って
盛り上がって、
こんなに笑ったの久しぶりかも。
後半の話は、ほぼあたしの恋バナだったけど。
「拓のこと好きなんだ。
給食の時間とかに、よく話してたから……
給食の時間になると切なくなっちゃうんだぁ」
「由紀乃ちゃん、顔赤くなってるよー」
指摘されて
あたしは思わず両手で
顔を隠した。
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