Jewel Memory*2つ年下



「今日こそは、頑張るから!」


翌日、あたしはココに話した。


何を頑張るかって?



それは………


片想いを実らせるために、
拓にメールアドレスを聞くの。


なかなか聞き出せなくて。


だから今日こそ───‥







「もう嫌ぁー」


そう気合いを入れたはずなのに。


「また聞けなかった…」



あと1歩、ってとこで、聞き逃しちゃうんだ。


これで聞き逃したの何度目だろう。



「由紀乃、そんな落ち込まない。
次があるよ〜」


学校でココに報告したら、笑って励ましてくれた。




次だよねっ。

そう、まだ次があるもん。


頑張れ自分!





* * *



5月17日。



メールアドレスを
聞けずに、訪れた土曜日。


午前中から、
美術部の友達と遊ぶ約束をしてた。


あたしを入れて3人。



沢山喋って
盛り上がって、

こんなに笑ったの久しぶりかも。



後半の話は、ほぼあたしの恋バナだったけど。





「拓のこと好きなんだ。

給食の時間とかに、よく話してたから……

給食の時間になると切なくなっちゃうんだぁ」



「由紀乃ちゃん、顔赤くなってるよー」



指摘されて
あたしは思わず両手で
顔を隠した。





.
< 6 / 267 >

この作品をシェア

pagetop