あなたがいたから、幸せでした。
白い花〈side拓馬〉
〈side拓馬〉
「うっ・・・」
体育祭が終わりそうな頃、
俺は1人屋上でうずくまっていた。
苦しい。
こんなに苦しくなったのは初めてで、
自分が自分でないみたいだ。
俺の病気––––––。
心臓がわしづかみにされたような。
前はそれだけだった。
でも。
今回のは明らかに前のとは違う。
苦しい。
〝苦しい〟という度合いが違う。
そんなモノじゃない。
〝死にそう〟な痛みだ。
辛くて、苦しくて。
どうしようもない。