あなたがいたから、幸せでした。



「大丈夫だって。

心配すんなよ。

俺はしぶとく生きる奴だから、

そんな心配なんて必要じゃないって。」


でも、と言いかけた優夏の言葉を遮って、


「大丈夫、俺はまだ死なないから」


と言っておいた。







〝まだ死なないから〟







この1言が、

優夏にとってどれほどのものに

なったかは分からないが、

もっと心配させることになるとは

思ってもいなかった––––––・・・。







             〈sideEND拓馬〉


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