お金より体力が大事?
大学の駐車場に車を止めた幸鷹は、助手席にいた小花の唇に軽くキスをした。


「きゃああああ!」


「ぷっ・・・ほんとに君はリアクションが派手で面白いね。
これだけでも、君が男に免疫がないのは確かだね。」


「ひどいわ。実験したのね・・・。
私は普通に学生してるだけの女の子なのに。」



「そうだな。でも守ってくれる人がいなかった。
だから、誤解されて傷ついていた。

これからはさ、俺が親父・・・いや、兄貴がわりになってやる。
怯えずに、堂々とやってみ。」


「幸鷹さん・・・。」


2人はそれから別行動をして幸鷹は必要なものの買い物を、小花は図書館で調べものをして待ち合わせの時間までを過ごした。



「おまたせ。」


「おお、いい仕事してきたって顔してるな。」


「えへへ。そりゃ、ここをがんばらないと書けるものも書けないから。
あ、そういえばね。
ここの大学の先生が言ってたんだけど、幸鷹さんの会社・・・あ、元会社かな?

そこのトレーナーさんたちがスト起こしたらしいわ。」


「ストだってぇ!!
なぜだ。経営はよくなったんじゃ?」


「なんか新しい経営者って人たちが運動の何たるかを知らない人たちで、現場の人とうまくいってないとか・・・。
詳しいことはわからないけど、幸鷹さんは経営面のプロがいるからってお金を払えるだけ払ってきたんだったよね。

それで・・・私うちの会計士さんとかにきいてみたんだけど、幸鷹さん会社の経営に携わる人に騙されたんじゃないかって・・・。」


「えっ・・・そんな・・・それじゃ俺の・・・いや、君の金はまた死に金になってしまうのか。
そんなことあってはいけない。」


「そういうだろうと思って、経理のプロ集団をご用意してきました。」


「はぁ???」


「ほら、あそこに並んでる人たち。
うちの事務所と出版関係で経理に詳しい人とかいるの。

それで、取引になっちゃうんだけど、ハミングスポーツの裏事情みたいなのがわかったら、スクープしたいって・・・。」


「なるほど・・・そういうことか。
いいよ。君に払ってもらってるお金が無駄になるくらいなら、どんどん調べて膿を出した方がいい。

それと折り入って俺も頼みがあるんだけど・・・。」


「何?」


「俺にもお金の流れとかわかる方法。とくに帳簿関係を詳しく教えてほしいんだけど。」


「うん、いいわ。私も覚えるわ。」



「なんで君が??あっ!!まさか・・・。」



「そう、新しいネタになるでしょう?」


「あっちゃぁ!!しゃあない。なんでもやってくれい!」


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