アキと私〜茜色の約束〜

いつもなら断る。
せっかく早く学校が終わったんだから、その分長くアキのとこにいれるし。

でも、おじさんと約束したんだ。
アキの分まで今を生きるって。

きっとおじさんは、友達と仲良くしなさい、ってことを言いたかったんだと思う。
私がアキの所ばっかに行って友達付き合いしていないのなんて明白だったから。


弥生の後ろにはみっちゃんこと迫田美月（さこた みつき）ちゃんと金子咲（かねこ さき）ちゃんが様子を窺うように立っている。

この二人と弥生は仲が良い。
四人は何気に一年からずっと同じクラスで、遠足やら修学旅行ではいつも同じ班だった。

だけど、今思えばまともに話したことなんてないかもしれない。

私のこれまでの学校生活は孤独そのものだった。

自分から話し掛けることはしなかったし、話し掛けられても素っ気なく返して。
いつしか誰も近寄らなくなった。