天国への切符
思ってたんだ。
ついさっきまでは、ずっとそう思ってた。
なのに……
「ごめん、やっぱりちょっと待っ…」
この前と全く同じようなシチュエーションで、あたしは今日も雰囲気を壊した。
「はぁっ…」
大きなため息が、部屋に響く。
「つーか、初めてなのは分かるけどさ」
気だるそうなケント君の声に、なんだか切なくなる。
「いつんなったらできるわけ?」
イライラしたような口調に、胸がギュッと苦しくなった。