第3ワープ宇宙局
徹が意識を取り戻した時に身体は軽かった。
ワープは既に完了したようだ。
徹は息を吐き、思い切り吸い込んだ。
身体の自由を奪っていた安全装置をはずし、
伸びをした。
「生きてた」
徹は呟き、まわりの人間の反応を待っていた。
いや、シリルの言葉を待っていた。
「徹、漸く気がついたね」
案の上シリルは徹を待っていた。
「俺はどのくらい気絶してた?」
徹は照れながら言った。
「せいぜい2分程度だった。問題ないよ」
シリルが笑みを浮かべた。
「2分も?」
ワープには身体的負担が大きく、ワープ後ライマンα天体ヒミコの調査員同士体調を見極める義務付けがあった。
もちろんシリルの方が身体が作られているため、
徹を看取る事になると徹は踏んでいた。
乗組員が気を失った場合、身体に触ったりして起こしてはいけない。
Gから開放された後の失神時間を計るのだ。
その乗組員のライマンα天体ヒミコの調査期間を、失神時間と体調を参考に考慮するためである。
2分の気絶ならあまり調査期間に影響はない。
また、乗組員が起きない原因が睡眠である場合、脳波を記す表示が乗組員のヘルメットの額にされる。

そして、
乗組員の安全装置を外す行為が第3ワープ宇宙局まで正確な失神時間を報せる行為なのだ。

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